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昨日は、注目される裁判判決が二つありました。

一つは、滋賀県大津市のいじめに対する同級生への損害賠償命令。もう一つは、不倫を原因とする離婚訴訟での不倫相手への慰謝料請求についてです。

このような仕事をさせいただいていると、結婚は勿論ですが、不仲となり離婚となるお二人の話しもいろいろと耳に入ってきます。

離婚の原因で多いのが、不倫とDVです。

今日は少し、不倫についてお話ししたいと思います。

一昔前は、不倫と言えば男性側が原因がほとんどだったようですが、今はそうでもないようで、女性側の不倫による離婚の話しも結構聞きます。

ここで、今回、注目された不倫での慰謝料についてご説明します。

離婚するかどうかは別として、夫婦関係にある二人の一方が不倫した場合、その相手は不倫した当事者に慰謝料を求めることは出来ますが、配偶者でない不倫相手にも慰謝料を求めることも出来るのです。これには、勿論、しっかりした証拠を捕まえてではありますが、一般人では200万円程度の慰謝料を請求できます。これは不倫慰謝料とも言われるものです。ただし、不倫の事実を知ってから3年を経過すれば時効が成立して請求できなくなります。

一方、今回の慰謝料請求は、離婚慰謝料とも言われ、離婚の原因には不倫があるのでしょうが、あくまでも離婚したことに対する慰謝料請求だったのです。今回、妻の不倫を知ったご主人は、その当時には子どもがもう少し大きくなるまでと慰謝料請求を放棄し、それから5年、ご主人の中では不倫を水に流し再出発できないかという思いもあったのではないでしょうか。しかし、結局、妻の不倫というわだかまりは二人の中で消えることなく、子どもさんも大学入学となったことで、今回、結婚の解消が申し立てられ、ご主人から慰謝料の請求もあったのです。3年を経過して不倫の慰謝料請求権は時効となっていますが、あくまでも離婚することに伴う慰謝料としての請求だったのです。

一審、二審の判決を破棄して最高裁は、離婚に伴う慰謝料の請求を認めませんでした。新聞によると、離婚するかどうかは夫婦の間で決めるものであり、不倫が原因で離婚しても、第三者である不倫相手が離婚についての賠償責任を負うのは、離婚させることを目的に婚姻関係に不当な干渉をするといった「特段の事情」がある場合に限られると判断し、今回の場合、不倫関係は発覚した頃に解消されており、約5年後に離婚が成立するまでの間に「特段の事情」は無かったということのようです。

何か、男の立場から言わせてもらうと、嫁さんの不倫に目をつぶり5年間子どものために離婚解消を我慢して、やっと離婚を決意した時には何の慰謝料も請求できないのは腑に落ちないところもありますが、結婚、離婚はやはり二人で決めるということなのでしょうか。

結婚するときの二人の気持ち、いつまでも新鮮で愛情に満ちたものであるのは難しいのでしょうが、不倫まで行くともう取り返しがつかなくなります。

どうぞ、いつまでも幸せな二人でいてください。

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